ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル

 モスクワ生まれ、ベルギー在住の鬼才、ヴァレリー・ファナシエフは22日、紀尾井ホールでベートーヴェンとショパンによるプログラム、この29日は浜離宮朝日ホールでモーツァルトとシューベルトによるプログラ

ムでリサイタルを行った。

 まず、モーツァルト。ソナタK.330、ハ長調、K.331、イ長調。全体の傾向として音が大きめで、オーケストラを意識した音作りだった。モーツァルトにしては音がうるさいと思った人もあっただろう。

 シューベルトは晩年の大作、ソナタD.959、イ長調。こちらの方がオーケストラを意識したことがかえって成功したといえよう。第2楽章の深遠な世界を浮き彫りにしたことで、緊迫感の強いものになった。ここでもアクシデントがあったようである。

 とはいえ、アファナシエフの世界が感じられ、アンコールでの幻想曲、K.397、ニ短調もそうであった。使用したピアノがベーゼンドルファーであったことも頷けよう。

 講談社が来日に合わせて出版した青澤隆明との対談「ピアニストは語る」は読み応え十分で、一気に読み通せる内容である。こちらもご一読をお薦めしたい。