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ベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集を完成した小管優が
完成記念として、ベートーヴェンのピアノソナタ5曲によるリサイタルを行った。(14日 紀尾井ホール)
まず前半、第1番、Op.2-1、ヘ短調。第1楽章左手の「運命の動機」がしっかり聞こえていた。ベートーヴェンの記念すべき第1作に相応しい演奏だった。第24番、Op.78、嬰ヘ長調「テレーゼ」は歌と自由奔放さが結びついた、味わい深い演奏だった。第17番、Op.31-2、ニ短調「テンペスト」はドラマトゥルギーの表出、抒情性が調和していた。
後半。第21番、Op.53、ハ長調「ヴァルトシュタイン」はスケールの大きさ、抒情性が見事に調和していた。第32番、Op.111、ハ短調はベートーヴェン最後の作品ゆえの崇高さ、悟りの境地を見事に描き出していた。
小菅が全集を出すにあたり、2010年~2015年にわたり、5年がかりで行ったベートーヴェン・ツィクルスと並行で行って来た。今回はその成果を示したリサイタルというようか。
いずれ、小管ももう一度、ベートーヴェンに取り組む時期が来るだろう。その時、ベートーヴェン・ツィクルスがあれば、どんな演奏になるだろうか。
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