歌舞伎座9月公演 秀山祭 昼の部

 秋の声が聞こえてくる9月の歌舞伎座公演は、2006年に生誕120年を迎えた初代中村吉右衛門を記念、その俳号「秀山」を取り、秀山祭として初代吉右衛門にちなんだ演目を取り上げている。今年の昼の部は「碁盤忠信」、「太刀盗人」、「一条大蔵卿」の3演目であった。

 まず「碁盤忠信」は市川染五郎と中村歌六とのやり取り、片岡亀蔵との果し合い、尾上松緑との見事な幕引きは見もので、中村児太郎が素晴らしい演技を見せた。

 「太刀盗人」は中村錦之助、中村又五郎との駆け引き、盗み聞き、坂東弥十郎の見事な演技が見もので、盗人だと分かった時の幕切れが素晴らしい。

 「一条大蔵卿」中村吉右衛門、中村魁春の安定した演技、尾上菊之助、中村梅枝の息の合った演技、幹部俳優に昇進した中村吉之丞の見事な演技が光った。中村吉之丞は中村吉之助の頃から見事な演技を見せ、幹部俳優に昇進するだろうと期待していた。今回、昇進を果たし、悪役を演じきった力量は今後が楽しみである。

 その他、幹部俳優昇進への期待がある人材が出てきている。これからの歌舞伎界を占う上でも重要だろう。今度はどのような人材が出てくるか。