サントリー芸術財団サマー・フェスティバル 国際作曲委嘱作品再演シリーズ 武満徹「ジュモー(双子座)」 タン・ドゥン~Takemitsuへのオマージュ(没後20年)

 現代音楽中心の音楽祭として定着してきたサントリー芸術財団サマー・フェスティバル(26日 サントリーホール)は、国際作曲委嘱再演シリーズとして、没後20年となる武満徹「ジュモー(双子座)」、「ウォーター・ドリーミング」、中国出身のタン・ドゥン「オーケストラル・シアターⅡ:Re」、「3つの音符の交響詩」を取り上げた。

 「ジュモー(双子座)」は2つのオーケストラ、オーボエ、トロンボーンのための作品で、2人の指揮者を要する作品で、武満は「音楽による恋愛劇」と位置づけ、オーボエとオーケストラ、トロンボーンとオーケストラの集合体が「愛」という形で合一する過程を描いている。三ツ橋敬子、タン・ドゥンの統率力、オーボエの荒川文吉、トロンボーンのヨルゲン・ファン・ライエンの好演が光った。後半の「ウォーター・ドリーミング」はフルートとオーケストラのための作品で、オーストラリア、アボリジニーの神話「ドリームタイム」による。神田勇哉が好演だった。

 タン・ドゥン「オーケストラル・シアターⅡ:Re」は聴衆も演奏に加わる、珍しい作品で、老荘思想に基づく。聴衆も演奏に加わる形態には、ジョン・ケージ「4分33秒」からの影響もある。むしろ、今までのコンサートのあり方への疑問、一つの試みもあるだろう。後半「3つの音符の交響詩」はA-B-C、ラ-シ-ドを中心にあらゆる要素が展開する作品で、ある種の面白さがあった。

 サントリー芸術財団による国際作曲委嘱シリーズが現代音楽普及にもたらした功績は大きい。今後、どのような作品が生まれ、再演によって広まっていくかが楽しみである。