ベルリン古楽アカデミー ヘンデル 水上の音楽 HWV.348-50

 ベルリン古楽アカデミーは1982年、旧東ドイツ、東ベルリン時代の様々なオーケストラの若手奏者たちが設立した古楽オーケストラで1984年、ベルリン、コンツェルト・ハウスでの連続コンサート以来、1986年、ヘルネ音楽祭に出演、以来ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア諸国でコンサート活動を行っている。

 このオーケストラによるヘンデル「水上の音楽」HWV.348-50全曲は、2004年に当時の様子を記した文書、その文書に基づく筆写譜が発見され、1962年に確定した新ヘンデル全集による3つの組曲、全21曲(第1組曲 10曲 ヘ長調、第2組曲 5曲 ニ長調、第3組曲 7曲 ト長調/ト短調)ではなく、全22曲(第1組曲 10曲 ヘ長調、第2組曲 ニ長調、ト長調 12曲)であることが判明、6月26日、バッハ・コレギウム・ジャパンがこの新版によるコンサートを行って話題となった。

 ヘンデルがハノーファー選帝侯国宮廷楽長となり、オペラ上演のためロンドンに渡ったことには、スチュアート朝最後の女王となったアン女王亡き後、イギリス国王に即位することが決まっていたため、ロンドンをはじめとするイギリスの情勢を伝えるためだった。即ち、諜報部員という任務を帯びていたことになる。

 ハノーファー選帝侯ゲオルクがイギリス国王、ジョージ1世としてイギリスに移住、ヘンデルは1717年、テムズ川での舟遊びの際の音楽として作曲した。ロンドン中心部からチェルシーに上陸して軽食と休憩、ロンドンに戻る行程で、3度も演奏された。

 ベルリン古楽アカデミーの演奏はヘンデルの音楽の魅力を伝えてくる。力強さ、壮麗さ、また荘重さ、歌心も十分。第20曲ジーグでは第1ジーグの後に第2ジーグ、第1ジーグに戻る。この演奏では第2ジーグで終わっている。バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートでは第1ジーグに戻っていた。いずれ、CDが出た際、じっくり聴いてから論じたい。