松本和将のベートーヴェン・ツィクルス、第6回は前半が第24番、Op.78「テレーゼ」、第25番、Op.79「かっこう」、第26番、Op.81a「告別」、後半が第22番、Op.54、第23番、Op.57「熱情」というプログラム構成であった。(カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」)
前半。「テレーゼ」の味わい深い歌が素晴らしかった。ただ、前のめりになっていたようである。「かっこう」では明暗のコントラストが素晴らしい。第2楽章の歌が絶品だった。「告別」では、何かとベートーヴェンを支えてくれたルドルフ大公への思いが伝わってきた。
後半。Op.54は気迫十分、何といってもOp.57「熱情」の凄まじさが聴きものだった。ピアノが崩れんばかりの名演で、第2楽章の明るさがかえって際立ち、第3楽章のコーダまで聴き手をしっかり引き付けていた。
いよいよ、11月、12月のセミナー、コンサートでは後期の名作へと入っていく。こちらも楽しみである。
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