ユーディ・メニューイン、ヴィルヘルム・ケンプ ベート―ヴェン ヴァイオリン・ソナタ Op.12-1,2,3 ヴァイオリンとピアノのためのロンド WoO.41

 ユーディ・メニューイン、ヴィルヘルム・ケンプによるベートーヴェン、ヴァイオリン・ソナタ全集はまず、初期の3曲、Op.12の3曲、ヴァイオリンとピアノのためのロンドに始まる。

 Op.12-1。第1楽章の闊達さ。若きベートーヴェンの野心が伝わる。展開部はヘ長調からニ短調へ転調、これはベートーヴェンならではの新奇さが垣間見える。第2楽章の変奏曲。ピアノとヴァイオリンの掛け合いから、素晴らしい展開を見せて行く。第3楽章のきびきびした主題から、スケールの大きな音楽が展開する。Op.12-2。第1楽章。こちらはピアノ主体に進む。コーダが第1主題中心に、静かに締めくくる。第2楽章の深い情緒。ピアノ中心とはいえ、じっくりと歌い上げて行く。第3楽章。ピアノに現れる主題をヴァイオリンが歌い継ぐ。味わい深い音楽となっている。Op.12-3は初期ベート―ヴェンの充実した作品の一つだろう。第1楽章。ヴァイオリンも技巧的になり、音楽の深みが増している。歌心も忘れていない。第2楽章。3度下のハ長調、深々とした、歌心溢れる歌がピアノ、ヴァイオリンの間に歌い継がれる。ベート―ヴェンならでの深みある緩徐楽章の傑作だろう。第3楽章。ピアノ、ヴァイオリンの掛け合いからスケールの大きな音楽が展開する。メニューイン、ケンプの素晴らしい音楽作りが光る。

 ピアノとヴァイオリンのためのロンド。ベートーヴェンがヴィーンに出てきてから間もない時期の作品。フリッツ・クライスラー(1875-1962)が「ベートーヴェンの主題によるロンディーノ」を作曲している。歌心に満ちた往品で、メニューイン、ケンプが見事に持ち味を引き出している。

 メニューイン、ケンプのベートーヴェン、ヴァイオリン・ソナタ全集は必聴盤だろう。