歌舞伎座2月公演 昼の部

 歌舞伎座2月公演は、江戸歌舞伎390年記念「猿若祭」として、今日に至る江戸歌舞伎の歴史をたどる演目が並んだ。まず「猿若江戸の初櫓」、出雲の阿国、猿若が江戸に出て来たという設定で歌舞伎上演の由来を踊りで表現したもので、中村勘九郎・七之助兄弟を中心に、華やかな舞台を見せた。

 「大商蛭子島」は源頼朝挙兵にちなんだもので、伊東祐親の娘が身を引き、北条政子が頼朝の妻となって、北条時政らとともに挙兵するという設定になっている。史実では祐親の娘との間には子供が生まれたものの、祐親が認めず、子供が殺されてしまった。仮に、祐親が時代を読み取り、頼朝と娘との結婚を認めていたなら、歴史はどう展開したか。頼朝と政子は結婚、時政も鎌倉幕府を支えることとなった。尾上松禄、中村七之助、中村時蔵、中村勘九郎が素晴らしい芝居を見せた。

 「四千両小判梅葉」は幕末、江戸幕府の金を盗み出した藤岡富十郎、野洲無宿の富蔵の事件に基づいたもので、尾上菊五郎、中村梅玉をはじめ、市川団蔵、中村時蔵、中村東蔵、市川左団次などが味のある演技、芝居を展開した。最後に富十郎、富蔵が毅然と刑場へ向かっていく場面には、己の罪への覚悟が滲み出ていた。

 最後に「扇獅子」、中村雀右衛門、中村梅玉が締めくくりに相応しい、華やかな演技を繰り広げた。終演が午後3時45分で、夜の部開場まで15分という短さでは、入れ替えがスムーズにいかないだろうと感じた。今回は演目構成が長すぎたといえよう。