パスカル・ロジェ ピアノリサイタル


 フランスを代表するピアニスト、パスカル・ロジェが「すみだ北斎美術館」開館記念として、ドビュッシーが見せられた葛飾北斎の絵とのコラボレーションによるドビュッシー、前奏曲集第1巻、第2巻全曲によるリサイタルを行った。(19日 すみだトリフォニーホール)

 ドビュッシーの前奏曲1曲ごとに北斎の絵が映し出されるという趣向を凝らしたもので、曲想に合った絵が映し出され、第1集では「西風の見たもの」にはドビュッシーが影響を受けた「賀奈川沖本杢之図」が映し出された時、これが交響詩「海」のインスピレーションのもとになったことを改めて感じた。「ミンストレル」では「百物語 笑いはんにや」が映し出されると、頷けるものがあった。第2集「変わり者のラヴィーヌ将軍」に「仮名手本忠臣蔵」討ち入りの場には恐れ入った。

 ロジェの演奏もフランスのエスプリ漂う名演だった。アンコールでは「ベルガマスク組曲」から「月の光」、サティ「3つのジムノペティ」第1番を演奏した時にもフランスのエスプリが豊かで、素晴らしい余韻を残した。

 「すみだ北斎美術館」開館記念とはいえ、素晴らしい趣向による好企画だったといえよう。